エリザベート2019感想

もう閉幕してしまいましたが、見てきました!エリザベート2019!たった1回ですがインパクトが強くてとても面白かったです。

 

2019/08/17 マチネ

キャスト↓
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花總シシィ・井上トート・成河ルキーニ・田代フランツという超豪華☆ベストキャスト回でした。ちなみに私が最後にエリザベートを見たのはリニューアルした年だったので、多分2015年?井上トートだったのは覚えてるけどそれ以外は記憶がないです。

 

 

【花總シシィ=エリザベートの正解

花總シシィに関してはここがすごいとか、ここの演技が良いなとかではなく全部すごい。主人公であり物語の中心として、ブレることなく1人の女性の人生を演じきる姿はもはやエリザベートその人でした。今後どんなシシィを見ても花總シシィと比べてこうだな〜って思ってしまうんだろうなという感じ。

まず出てきた瞬間の少女時代の違和感の無さに引く。若く見える〜とかではなく、本当に10代の可愛らしい女の子がそこにはいるんです。おてんば感は控えめかな?だけどパパを見つめる眼差しや歌声からはその後の人生でずっと自由を求め続けるエリザベートの姿が見えてくるし、その理由さえも幼少期の姿を思い出せばわかる気がします。

フランツと結婚し時が流れ、自我に目覚めてからの花總シシィの生き生きとした演技も素晴らしかったです。物理的な圧を感じるし、オーラが違う。煌びやかなドレスも豪華なアクセサリーも、エリザベートをただ飾るだけの物に見えてくるレベル。

 

 

【井上トート=明朗な死神

悪口ではありません。死神感が薄いというよりストーカー感が強すぎる。謎に陽のオーラ出てますよね?黄泉の国のあしながおじさんかな?

あまり他の役者さんで見たことがないので何とも言えないですがトートって血が通ってなくて、冷たい世界で淡々と生きる中でシシィという光に出会い、戸惑いながらも愛に目覚める…みたいなイメージでしたが、井上トートはむしろ人間に近い感じがしました。でもそのおかげか「偉大なる愛」による説得力が半端ない。わかる、めっちゃシシィのこと好きだもんね☆好きなだけならまだしもフランツに対する嫉妬も凄まじいあたり強烈です。死神が嫉妬するということにも納得させる花總シシィの美しさが怖い。

当たり前ですけど歌が上手すぎて、特に『私が踊る時』が耳福タイムで最高でした。あとなんか成河ルキーニとは黄泉の国で意気投合してそうな感じがする。

 

 

【成河ルキーニ=ヤバイ

ヤバイ役をやらせたら天下一品の成河さん、スリルミー、BLUE/ORANGEに引き続き今年3作品目でしたが、今回もヤバかった。てか別にルキーニって狂言回しの役どころなので目に見えて狂気じみてる必要はないとは思うんですが(淡々としてたらそれはそれで怖いけど)、成河さんのヤバさによって「偉大なる愛」というストーリーにグロテスクさというか、悲劇的なおとぎ話で終わらせねえぞみたいな感じが足されるのがすごいなと思いました。

キッチュの時とか「キィィィィィィィッチュ↗︎(裏声)」なのに真顔で怖すぎたし、俯瞰して状況説明してるかと思いきやニタァァァって笑って去っていったり、良い意味で空気ぶち壊すところがさすがすぎましたね。

スリルミーやブルオレでは"日常と隣合わせの狂気"で劇場の空気を氷点下までスゥっと下げる感覚でしたが、今回は1人だけ場違いに盛り上がってる感じがヤバかった(ヤバイしか言ってない)。なんか、「俺だけが知ってるヤバイ話を教えてあげるぜ!フゥゥゥ!!」みたいな。あとトート閣下LOVEでした。濃い。

 

 

【田代フランツ=悲劇の堅物

中の人のイメージも相まって、出てきて0.1秒でわかる堅物感。ポイントはイコール真面目とか優しいではないところです。花總シシィに心を掴まれすぎて、様々な場面でフランツにキレそうにならざるを得ない。

自由を愛するシシィと堅物マザコンのフランツの『あなたが側にいれば』は、もはや側にいるだけでお互い何も見えてないのでこっちが頭を抱えたくなります。いきなり何一つ分かり合えていない。ホラーです。エリザベートは割と早い段階でフランツに愛想を尽かしてる感じがありますが、フランツは最後までエリザベートを求め続けるので虚しいですよね…どこまで戻ってもわかりあえるポイントは無かったという…。その結果というか集大成が同じメロディで歌われる『夜のボート』なので、もはや目の前の現実が辛すぎて泣きました。

田代フランツは後半の老け込みっぷりも見ものですよね!顔は若いんだけど人生に疲れた感じとか、ルドルフに対する毅然とした態度とか良かった。悪夢でどつかれて背面スライディングしてたのはちょっと面白かったですが、必死さが伝わってきました。シシィ大好きなんだね…

 

 

【木村ルドルフ=絶対的革命児

初めましての木村達成さん!凛々しくてキビキビしていて、パパのDNAはほとんど受け継いでないと思われる強さがあってすごく好きなルドルフでした。成長してから出てきた時の悲壮感というか、トートを引き寄せるような負のオーラはあんまりなかったような?ルドルフって少年時代の寂しさを引きずっていて大人になっても死にすらすがる…みたいなイメージが強かったんですが、木村ルドルフはそんな感じではなかったと思います。

まあルドルフ自体フォーカスされてる時間はあまり多くないので役の感じが掴みづらいところはありますが、木村ルドルフは父上と分かり合える気配が無さそうだなと思いました。「父上を説得することができなかった…」とか言ってるけど、最初から革命する気満々では…?その反動か、母であるエリザベートに見捨てられ目すら合わせて貰えなかった時の捨てられた柴犬状態は目も当てられないくらい可哀想でした。あと手足が長くてダンスが綺麗でした。

 

 

【ほか気になったところ】

『私だけに』の滑り台演出、未だ健在だとは思ってなくてちょっとびっくりしました。いや、強大なハプスブルク家に立ち向かうのはわかるんですがそこ物理的な演出いるか…?って思ってしまいました。試されるイケコ先生対応力。

あと端席だったからなのか、音が篭って聞こえる部分があったので(パパみたいにとか)、せっかく歌えるメンバーが揃っていたのでちょっと残念でした。最近小さめの劇場に行くことが多かったので、アンサンブルがたくさんいてわーーって感じが久しぶりで楽しかったです。

 

 

【まとめ】

とにかく花總シシィを中心に繰り広げられる"エリザベートの物語"を見ることができて大満足でした。花總シシィが良い意味で正統なぶん、井上トートの人間味のある死神やシシィとは対照に100年経っても死に切れない成河ルキーニの姿やある意味唯一まともな田代フランツの可哀想さを感じることができたんじゃないかな?と思います。超久しぶりに見たけどエリザベート面白い!来年の20周年全国ツアーも行けたら1回くらいは行きたいです。

 

 

【おまけ】

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日比谷シャンテで入ったカフェがたまたまコラボメニューをやってるお店だったので、ルキーニのワッフル食べました。美味しかったです。

コラボメニュー注文で貰えるコースターはお友達がシシィ、私がルドルフでした。素敵〜